2010年8月16日月曜日

大卒の親と高卒の親

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記事入力 : 2010/08/03 15:00:01
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格差社会:大卒の親と高卒の親、子どもの入試で20点の差

両親の学歴や経済力によって、修能試験やTOEICの点数に差

隙だらけの「平準化政策」が低所得層には悪夢に

 教育を通じ、地位向上の機会を与える目的で導入された「教育のはしご」政策は、保守派・進歩派を問わず、韓国で最も重要な政策として位置付けられている。
 「自律と競争」を掲げる李明博(イ・ミョンバク)政権も、「平等と参加」を掲げた盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権も、「どぶから竜が出る(地位の低い家から立派な人物が出る)」社会を築こうというスローガンでは共通している。

 しかし、「教育のはしごを修復せよ」という勇ましい掛け声の割には、芳しい結果が得られていないことが分かった。
 親たちの学歴が、子どもの大学修学能力試験(修能=日本の大学入試センター試験に相当)の成績、国際コミュニケーション英語能力テスト(TOEIC)の点数、さらには就職後の給与水準にまで大きな影響を与えているためだ。
 本紙の調査班が分析した結果、「はしごの修復」が順調に進んでいない上に、教育水準の二極化がむしろ深刻化していることが明らかになった。

■両親の学歴などによって修能の成績やTOEICの点数に差

 子どもの修能試験の成績やTOEICの点数、就職後の給与水準は、保護者の学歴や経済力などによってどれほど格差が生じているのだろうか。
 取材班はこの点について、韓国開発研究院のキム・ヒサム研究員に分析を依頼した。
 キム研究員は、農山漁村以外の地域に住む勤労者世帯5000世帯を対象に、保護者の学歴や経済力などの指標ごとに、子どもの修能試験の成績、TOEICの点数、就職後の初任給の水準を算出した。

 その結果、大学に入学するための第一関門となる修能試験の成績は、保護者の学歴などによって差が生じていることが分かった。
 両親とも大卒の場合、子どもの修能試験の平均点は256.2点で、両親とも高卒以下の場合(236.4点)に比べ19.8点高い結果となった。

 保護者の学歴や経済力などによる差が最も大きかったのは、就職に必須とされるTOEICの点数だった。
 世帯所得が100万ウォン(約7万1000 円)増えるにつれ、子どものTOEICの点数は21点ずつ高くなった。
 また、両親とも大卒の場合、子どものTOEICの平均点は741.9点となり、両親とも高卒以下の場合(667.6点)に比べ74.3点高い結果となった。

 こうした英語力における格差は結局、子どもが就職した後の賃金にも結び付いている。
 両親とも大卒の場合、初任給の平均は202万9009ウォン(約14万4700円)である一方、両親とも高卒以下の場合は、156万4458ウォン(約11万1600円)にとどまった。

 キム研究員は「修能試験の点数が同じだった人でも、両親が大卒の場合と、高卒以下の場合、就職後の賃金の差は1時間当たり24.4%にもなる。
 保護者の学歴や経済力が、子どもの代にも引き継がれるということが判明した」と指摘した。

 だが、政府が「どぶから竜が出る社会を築く」として推進した「教育のはしご」の修復策は、欠陥だらけだった。

■入学させるだけで、あとは放置

 サンミンさん(仮名)=13=の家族は生活保護を受けているが、サンミンさんは学校の成績が優秀で、誰もがうらやむエリート校、国際中学校に合格した。
 今年3月に入学したとき、母親のヤン・ギョンミさん(仮名)=45=は、「空を飛んでいるかのようだ」と喜んだ。ところが今、ヤンさんは毎日、精神的苦痛を感じているという。
 入学説明会のとき、学校側は「学費が免除される『社会的な配慮の対象者』として合格したため、学費の心配をせず勉学に励んでほしい」と説明した。

 ところが、入学してみると、
▲英語集中講義の費用20万ウォン(約1万4000円)
▲スクールバスの利用料87万ウォン(約6万2000円)
▲体育プログラムの費用37万ウォン(約2万6000円)
▲夏休みの海外ボランティア活動費約100万ウォン
など、4カ月で計250万ウォン(約18万 5000円)を支払うように、という通知が送られてきた。
 授業料は無料だが、そのほかの教育活動費は個人で負担しなければならないというわけだ。

 4年前に夫と離婚したヤンさんの収入は、生活保護費を合わせても、月に95万ウォン(約6万8000円)程度だ。
 ヤンさんは「今は知り合いからお金を借りたり、信用回復委員会から少額の融資を受けながら何とかやり繰りしているが、いずれ国際中へ通わせるのを断念しなければならないかもしれない」と話した。

 低所得層に「配慮」する政策が、低所得層にとって「悪夢」となったのは、政策設計が隙だらけだからだ。
 低所得層に入学の道が開けたのはいいが、受け入れた生徒が学校に通い、十分な教育を受けるための実質的な支援が整っていないというわけだ。

 2005年、専門高校出身者特別入試でソウルのA大学に入学したYさん(24)もまた、同じような悩みを抱えている。
 専門高校の出身者を対象とした特別入試だったため、修能試験の成績ランクが3-5であっても、名門私大に合格できたが、それはあくまで「入学許可」にすぎなかった。
 Yさんは「修能試験の成績が低い専門高校出身者に対しては、特別入試で入学を認めた以上、工業数学などの難しい科目を教えてくれるプログラムがあると思っていた。
 ただ入学させるだけで、あとは放置されたため、疎外感を感じ、数カ月で大学を辞めた友人も少なくない」と話した。

■「平準化の幻想」がもたらした逆説

 専門家たちは、
 「現実的に、学生・生徒たちの貧富の差によって学力に差が生じているのは確かだが、公教育が単に『学生・生徒・児童を同じように教えていかねばならない』という、『平準化の幻想』に取りつかれていることが、最も大きな問題だ」
と指摘した。
 問題点を探らないまま政策を講じたため、隙だらけの政策にならざるを得なかったというわけだ。

 2003年に導入された修能試験の成績ランク制度は、代表的な欠陥政策といえる。
 政府は当時、「修能試験を事実上の資格試験と位置付け、内申点の比重を高めれば、私教育の恩恵を受けることのできない生徒たちも、一流大学に入学することができる」と豪語していた。
 ところが、この制度は逆の結果をもたらした。「内申点、修能試験の成績、小論文の成績をすべて向上させなければ生き残れない」といううわさが広まり、学習塾は活況を呈したが、低所得層にとっては直撃弾となった。

 教育によって所得や社会的地位の格差が拡大したにもかかわらず、「平準化政策」を維持するため、教育の格差に関する資料を隠したことも問題だった。
 最近公開された、修能試験の高校別の成績を分析したところ、平準化政策の対象地域だったソウル市でも、低所得層が多く住む衿川区や九老区では学力の低下が際立っていることが分かった。

 中央大のイ・ソンホ教授(教育学)は、
 「現時点での学力の差を認め、個人に合わせた対策を講じることによって、教育の格差を縮めることができる。
 すべての学校や生徒・児童を同一視する、空虚な理想論が問題だ」
と指摘した。
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