2010年8月16日月曜日

教育の二極化

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記事入力 : 2010/08/03 15:08:02
http://www.chosunonline.com/news/20100803000066
http://www.chosunonline.com/news/20100803000067
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格差社会:教育の二極化、韓国は米国より深刻

「トンビがタカを生む『韓国神話』」崩壊

米は最上層・最下層とも成績アップ、韓国は学力差がさらに拡大

 知的財産権分野でトップクラスの実績を誇る呉官錫(オ・グァンソク)弁護士(48)=キム&チャン法律事務所=は1981年、ソウル大学法学部に進学する際の予備考査で全国1位になった。
 当時、メディアのインタビューを受けた同氏は、1位になる秘訣(ひけつ)について、「学校の授業をしっかり予習・復習すること」と語った。
 済州島出身の呉弁護士は、8歳のときに父親を亡くし、母親と兄弟3人で、親類の援助を受けながら生活していた。
 塾どころか学費すらまもとに払うことができず、中学と高校は生徒雑誌社からの奨学金で何とか通うことができた。
 後に呉弁護士は、ソウル大学法学部を首席で卒業、韓国の最上層にまで上り詰めた。
 記者が30年前の話を切り出すと、呉弁護士は「あのころはどんなに困難な状況でも、歯を食いしばって頑張れば必ず成功すると信じていた」と語った。

 貧しくても一生懸命勉強さえすれば、いい大学に入れて、いい就職先が見つかり、中上位層になれる「教育という名の下の『階層を上るはしご』」は、まだ健在なのだろうか。
 取材チームの依頼により、顧問団のキム・ギョングン高麗大学教授(教育学)が韓国と米国の「教育のはしご」の現在地を分析した。

 46カ国で満13歳(中学2年生相当)の生徒たちを評価する「国際数学・理科教育調査(TIMSS)」の成績(1999-2007年)を基に、親の学歴や所得といった経済的・社会的背景が、両国生徒の点数格差にどれだけ影響しているのかを計算してみた。
 分析は、親の経済的・社会的地位により最上層(上位2.3%)、中流層(上位50%)、最下層(下位2.3%)の3階層に分けて実施された。

 その結果、過去8年間で、米国は所得に関係なく、すべての階層で数学の成績が26.0-28.7点上がっていた。
 一方、韓国では最上層は22点上がったものの、最下層は2.6点下がっていた。
 教育の二極化という面で、米国は「現状維持」だったのに対し、韓国は各家庭の経済力による子供の成績格差が 8年間で24.6点も広がり、二極化が進んだということだ。

 2007年の結果を見ると、韓国の最上層と最下層(経済的・社会的地位の上位と下位各2.3%)の点数格差は128.0点で、米国の両階層間の点差71.5点に比べ1.8倍も拡大していた。
 つまり、家庭の経済事情で子供の成績が左右される幅が米国よりはるかに大きく、「教育のはしご」は米国よりも大幅に崩壊しているということだ。

 これについて、キム・ギョングン教授は
 「2000年代以降、韓国の経済二極化が米国より速く進んだことも作用したといえる。
  だが、何よりも『3不政策』(日本の大学入試センター試験に相当する大学修学能力試験以外の入学試験禁止・高校ランク付け禁止・寄付金による大学入学禁 止)や無償給食など、硬直化した教育政策論争にとらわれ、経済的・社会的弱者に必要な実効性のある対策について議論が足りなかった」
と話している。

 「教育のはしご」の崩壊は、結果的に低所得層の無気力感を拡大させ、社会的な確執を生む要素となる。
  ソウル市蘆原区の低所得層向け賃貸集合住宅に住むチェ・イルヒョンさん(20)=仮名=は、「希望がない」と話す若者の一人だ。チェさんは小学校入学前に 父親を亡くし、月40万ウォン(約2万8000円)の基礎生活需給費(生活保護)を受け取りながら、中卒の母親と二人で暮らしている。

 小学校の時は成績がクラスで5位くらいだったため、「教育のはしご」を上る希望があった。
 しかし、「中学以降は毎日が下り坂だった」とチェさんは振り返る。
 中学1年のとき、初めての英語の授業で先生が「read(読む)という単語が分からない人、手を挙げて」と尋ねた。
 教室にいた33人のうち、手を挙げたのはチェさんを含め、塾に通っていなかった3人だけだった。
 チェさんは
 「そのとき、大きな『壁』を感じた。学校ではほとんどの先生が塾に通う子供たちのレベルに合わせて授業をしていたため、付いていけなかった」
と話す。

 チェさんは昨年、大学修学能力試験を受けたが、2大学、1専門大学(短期大学に相当)ともにすべて不合格だった。
 最近はデパートの職員用食堂でアルバイトをしているが、夜8時まで働いても、1カ月の給与は約80万ウォン(約5万7000円)、時給4110ウォン(約290円)ほどだ。
 チェさんに、なぜ浪人して予備校で勉強しないのか聞いてみると、「予備校の授業料は1カ月に50万ウォン(約3万5000円)もかかるが、そんなお金はない。
 もう1年勉強したところで、何年も塾や予備校で勉強しているほかの受験生と競い合えるとは思えない」と言った。

 カトリック大学の成基善(ソン・ギソン)教授(教育社会学)は、
 「階層を循環させ、上位層には緊張感を、下位層には希望を与える教育本来の機能がきちんと作用していない。
 勉強することで階層を乗り越えられるという教育制度が機能しなければ、社会不安や確執の拡大につながる可能性もある」
と懸念を示した。

 現場の声を聞こうと、取材チームは低所得層家庭の中高生や青年24人(15-27歳)を対象に電話または面談によるインタビューを行った。
 このうち、「中高生のころ、身近にロールモデル(手本になる人)がいた」と回答したのは4人(16.6%)に過ぎず、24人全員が「学校の授業だけでは、塾などで勉強している生徒に付いていけなかった」と回答した。
 「来年は何をしていると思うか」という質問に対し、23人は「具体的な計画はない」とし、一人は「入隊」と答えた。
 「教育のはしご」から転落した人々には、むしろ夢も目標もなかった。
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