2010年8月16日月曜日

貧困児童100万人

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記事入力 : 2010/08/07 14:51:38
http://www.chosunonline.com/news/20100807000054
http://www.chosunonline.com/news/20100807000055
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格差社会:貧困児童100万人、成長後は就職困難

「アジア通貨危機以降、人生の階段が崩れ始めた。最大の原因は構造調整だ」

 「企業は生き残りをかけ、ぜい肉を落とした。
政府は『新たな成長源を探る』というが、情報技術(IT)産業をけん引する新たな列車が入ってきても、これまでの職場を追われた国民の大半が、それに乗り込むことができなかった」

 「列車に乗り損なったのは当事者の責任だろうか。
新たな列車に飛び乗る勇気とチャンスを与えるのが国家の役割ではないか-」

 激しい議論が繰り広げられた。
本紙が企画した「崩壊する人生の階段」の諮問団は、人生の階段から脱落する人が増えている現実について、「韓国社会が活力を失う前に、解決法を見つけ出さなければならない」と異口同音に訴えた。

  討論には、金景根(キム・ギョングン)高麗大教授(教育学)をはじめとして、キム・ヒサム韓国開発研究院研究委員(経済学)、ノ・デミョン社会統合委員会 専門委員(政治社会学)、パク・ミョンス雇用情報院研究開発本部長(労働経済学)、パク・シンヨン土地住宅研究院先任研究委員(都市行政学)、それにソ・ ビョンス永登浦老人総合福祉館長(社会福祉学)が参加した。

―1970年代までは、国民の大半が貧しかった。弱者層も存在したが、国家経済が成長するにつれ、大半の国民の経済的地位は向上した。
ところが通貨危機以降、貧困の様相が変化した。
韓国では国民の半数程度が一度は貧困を経験しており、その半数は貧困が長期化し、人生の階段を上ることができずにいる。

―問題は、こうした現象を防ぐ長期的あるいは短期的な対策がないという点だ。
韓国社会が直面しているさまざまな対立の根底には貧困、そして人生の階段の崩壊がある。
なぜ貧困は長期化するのか。
育児、教育、就職など人生のあらゆる段階で低所得層が階段を上る方法がない。
現在、貧困線以下で生活している子供たちは100万人程度と推定される。
厳しい言い方をすれば、幼いときには放置され、成長後は資格や条件を満たさないとして、就職できずにいるのだ。
産業構造が変わり、肉体労働で食べていける働き口も減りつつある。
また、一生のうちで働ける期間も短くなり、50-60代まで稼ぎ続けることは難しい。

―以前は、大学を卒業すれば就職するのが当然だった。
しかし、今は大卒後1年6カ月以内に常時雇用(契約期間1年以上)される人は64%にすぎず、それから2年後の時点でも70%に満たない。
多くの若者が大卒後に臨時職、短期契約職に就くが、企業が彼らの教育に投資しないため、若いときに十分な訓練を受けられない若者たちは、年齢を重ねても所得が増える機会は制限される。

―学生たちは絶望している。
いくら努力しても就職できる保障はなく、就職しても1-2年で追い出される可能性が高い。
これまで韓国社会では、教育が上昇階段の役割を果たしてきた。
しかし、家庭背景が学業の成就に与える影響が徐々に高まっている。
今や教育が希望を与えるというよりは、絶望を与える段階に至っている。

―貧しい家庭に育った子供が悪戦苦闘の末、わずかな確率を突破し、名門大学に合格しても、入学後の問題に直面する。
通貨危機以降、早期留学ブームが起こり、中産階級以上の家庭の子供たちは韓国の大学ではなく、海外の名門大学に留学しようとする。
国内の大学に進学したとしても、英語塾に通い、海外研修に出掛ける。
雇用情報院の統計によると、中高生の時期に塾通いするよりも、大学時代に海外研修を受けた経験の方が、就職にはるかに有利だという結果が出ている。
今や教育が階段の役割を果たせないばかりか、むしろ階層の固定化につながっている。

―就職後も問題だ。
過去15年間で中小企業は大企業に比べ、労働時間が増えたのに対し、賃金は低下した。
以前は勤労者の25%程度が大企業で働いていたが、現在は12%にすぎない。
大半の人は中小企業で働き、以前より多く働いても、受け取る賃金は以前に比べ少ない。
大企業に就職し、中小企業に転職するケースはあっても、中小企業から大企業に転職するのは非常に困難だ。
企業は人物本位で選考するのではなく、結局はTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)のスコアなどを基準とする。
それゆえ、学生たちは必死に大企業に入ろうと、資格条件を整えることに専念する。

―年収10年分を、一銭も使わずに貯金しなければ、マイホームは買えない。
無理に住宅を購入しても、失業や病気などで危機に陥った際には、マイホームを失い家族は崩壊する。
1980年代から現在まで、人口住宅総調査の結果を年齢層別に分析すると、45歳までにマイホームを購入できない人が増えている。
若い世代ほど、勤労所得でマイホームを購入するのは困難だ。
言い換えれば、自力で上の階層に上がることが難しくなっているということだ。
マイホームがなければ、家庭は安定せず、教育にも投資できない。
所得が低い人ほど生活の基盤となるマイホームを確保するのは難しい。

―このような世の中だから、周囲には幸せな人が少ない。
現在40代の人は、自己実現の欲求があった。
生活の質に対しても、これまでの世代以上に目標が高かった。
しかし、それを実現するのは困難だ。
マイホームを購入し、子供に塾通いさせるのに所得の大半をつぎ込む家庭が多い。
親たちは、他人にならってやむを得ず子供を塾通いさせているが、内心は自分たちの老後の生活を心配している。
子供は最後まで親に頼って出世しようとする。
エレベーターに例えると、以前はエレベーターが狭く、きしむ音がしていても、頻繁にドアが開いていた。
だが現在は、高速エレベーターが上に行ったまま降りてこない。
降りてくる気配のないエレベーターを待ちわびるような感覚で、それが剥奪感につながっている。

―ある日本の記者から、
「韓国は他国とは異なり、高速成長と民主化を経て、対立が爆発したり、争議がぼっ発することなく、現在の段階まで上り詰めた。その秘訣(ひけつ)は何か」
と聞かれた。
わたしは「階層移動」だと答えた。
貧しい農民も、牛を売って子供を大学に送れば、最低でも次の世代は中産階級になることができた。
雇用が大量に創出され、農村人口が都市に大移動し、その大多数が以前に比べ良い生活を送り、親の世代よりも生活水準を向上させた。
また、急速な工業化で都市勤労者の所得が上昇した際、農村でも道を広げ、住宅を改築する「セマウル運動」が起きた。
それが都市と農村の極端な対立を防いだ。
しかし、今は懸念すべき点が少なくない。

―意識調査によると、30代の不満が非常に多い。
40代は大学を卒業すれば就職できた。
30代は通貨危機の余波で就職が困難な状況で、不動産価格の高騰に直面した。
年上の世代が享受した恩恵を受けられず、今後は高齢者の扶養のために、巨額の負担を強いられる。
低所得層、若者により多くのチャンスを与えられる政策的配慮が必要だ。

―結局は教育と雇用が問題だ。
まずは食べていかなければならない。
新たな雇用創出ばかりにこだらわず、現在ある求人に適した人材が応募できるように支援していくことも大切だ。
若者に「就職活動の際、最も不便なことは何か」と尋ねたところ、「情報がなくて困る」との答えが返ってきた。
韓国社会には、就職先をあっせんする仕組みが十分に機能していない。
公共、民間を問わず、あっせん機関を通じて就職先を見つけた人は、100人中6人にすぎない。
残りはコネ、口コミ、教授からの推薦などで就職した人たちだ。

―2008年の金融危機の最中、ドイツではむしろ雇用が増加し、「ドイツの奇跡」と呼ばれた。
それを細かく検討すると、ドイツでは雇用支援センターの相談員一人が求職者500人を担当するのに対し、韓国では相談員一人が8000人もの求職者を担当することが分かった。
ドイツでは求職者との面談に 40-50分ほど時間をかける一方、韓国ではわずか2-3分。
また、支援センターには情報量も少ない。

―「魚を釣る方法は教えたから、あとは自分でやってみろ」というのではなく、獲物の魚(働き口)を増やし、魚の通り道もリードしてやらなくてはならない。
それでこそ、真の雇用支援といえる。
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